容易に購入できるものを使って簡単にできる
「体感振動簡易システム」を自作してみました。
(その6)
使用したものの詳細説明
(1)FFBハンコン
- 今回使用した「FFBハンコン(フォース・フィードバック・ハンドル・コントローラー)」はスラルトマスター社の「TX レーシングホイール」という機種です。
- 正式名称は「TX Racing Wheel Ferrari 458 Italia Edition」というようです。
- 2018年に、容易に購入できる「Xbox One」用の「FFBハンコン」は、この機種だけだったので、¥50,000ほどで購入しました。
- FFBがギヤではなく「ダブルベルト方式」であるため、ステアリングの感触が滑らかで、十分に満足できる「FFBハンコン」です。
- 少し安価な「PS3/PS4」用の「FFBハンコン」としては、「Thrustmaster T150 RS PRO」(3ペダル)が¥40,000程でありますが、FFBがベルト+ギヤなので、ステアリングの感触があまり良くないかも知れません。
- また、「Thrustmaster TS-XW Racer Sparco P310 Competition Mod」(3ペダル)約 \110,000もあります。
- 「Thrustmaster」の製品は「Amazon」が国内正規品として、「PC 、Xbox、 PlayStation」用の「FFBハンコン」を販売しているので、「こちらの AmazonのHP」にて詳細を見られます。
- しかし、「Thrustmaster」で、\110,000までの出費を考えているのであれば、「FANATEC」というメーカーのハイクラスな「FFBハンコン」があります。
- お手ごろな「ClubSport Wheel Base V2.5+ステアリング+2ペダル」のシステムでそろえると、¥95,000くらいで買えそうなので、レーシングコックピットなどを購入して本格的にレーシングゲームをやっていきたい人には良い選択だと思います。
TX レーシングホイールの詳細
- 「TX Racing Wheel Ferrari 458 Italia Edition」のペダルセットは、アクセルとブレーキの「2ペダルタイプ」なので、クラッチペダルを踏んでの「マニュアル・ギヤチェンジ」はできません。
- しかし、「パドルシフト」によるギヤチェンジでもマニュアル感は十分に楽しめます。
- また、最新のレーシングカーでは「シーケンシャル・トランスミッション」に「2ペダル+パドルシフト」が当たり前となっているので、最新のゲームには最適でしょう。
- 市販車や旧車を「3ペダル」による「マニュアル・ギヤチェンジ」で楽しみたいのであれば、別売の「Hパターンのシフター」や「3ペダルセット」を購入することにより、「FFBハンコン」本体はそのままで使用できます。
- さらに、「ハンドブレーキ/シーケンシャル・シフター」を購入して、「ハンドブレーキ・モード」で使用すれば、ドリフト走行が容易になります。
- また、「FFBハンコン」のステアリングホイールを「他の形状の物」へと交換で来るので、F1やラリー、ドリフト走行用の物を使用すれば、ハンドル捌きが容易になり、走行がさらに楽しめるでしょう。
- このように、「Thrustmaster」や「FANATEC」のハンコンは拡張性が高く、ゲームに合わせてユニットを選んで組み合わせることができます。
TX レーシングホイールの不具合
「TX Racing Wheel Ferrari 458 Italia Edition」には欠点というか、「ちょっとした不具合」いくつかあります。
1.「Dパッド」の不具合
- 最初に気になったのは、ステアリングの「センターパッド」の左下側にある「赤いボタン(ENGINE START)」の接触不良です。
- 「赤いボタン(ENGINE START)」は「Dパッド」になっていて、「上下左右」の「四方向スイッチ」になっています。
- 私が購入したものは、この「Dパッド」の「上方向」の接触が悪くて、「上方向」を押しても「右方向」に動作してしまうことがあります。
- 「やや左上方向」に押すようにすれば「上方向」に動作するので、そのまま使用しています。
- ネット上のレヴューを見ると「Dパッド」の接触不良に関する書き込みがあるので、構造上発生しやすい不具合なのでしょう。
2.過熱による停止
- 「FFB」の強さを100%に設定した状態(初期状態)で、ステアリングからの反力(重たさ、トルク)が強くなるような運転を続けていると、突然「FFBハンコン」が反応しなくなり、動作しなくなることがあります。
- このトラブルは「FFBハンコン」内部の「ブラシレスモーター」や「電源回路」が熱くなり、温度センサーに設定された最高温度を超えたため「強制的に動作を停止」させたものです。
- このような場合は、取扱説明書にも書かれていますが、「電源プラグ」をコンセントから外し、また「USBプラグ」も、パソコンやゲーム機から外します。
- そのまま「FFBハンコン」内部の温度が下がって、「温度センサー」が自動的にリセットされるまで「20~30分間」ほど待ちます。
- 待ち時間は周囲の気温によって大きく変わります。
- 「FFBハンコン」内部の温度が下がったら、「電源プラグ」をコンセントにつなぎ、「USBプラグ」も、パソコンやゲーム機つなぎます。
- 「FFBハンコン」が起動して使用できるようになります。
- もし、「FFBハンコン」が起動しない場合は、「温度センサー」が自動的にリセットされる温度まで下がっていないと考えられるので、「電源プラグ」と「USBプラグ」を外して、さらに時間を置いてみましょう。
- しかし、温度まで下がるまで「半日以上」待ってから「電源プラグ」と「USBプラグ」をつないでも、「FFBハンコン」が起動しない場合は、故障している可能性があるので、取扱説明書に書かれている「保障規定」を読んで「カスタマーサポート」に相談しましょう。
- また、このような「強制的に動作を停止」を繰り返していると、「FFBハンコン」の寿命が短くなるという情報もネット上にあるので、次の二つの対策をしておくべきです。
3.過熱防止対策
- 一つめの対策は、「FFBハンコン」内部の温度を下げるために内臓されている「クーリングファン」を「温度上昇時」だけに回転させる「通常モード」から、「常時」回転させる「強制クーリングモード」に設定することです。
- 設定方法は、「写真」に示した「FFBハンコン」本体左側下にある「MODEボタン」(矢印 A)を押しながら、「ステアリング」の「赤いツマミ」(矢印 B)を「矢印 C 方向」にひねります。
- すると、「MODEランプ」(赤ランプ)が「2回点滅」して「強制クーリングモード」に設定されます。
- 「強制クーリングモード」から「通常モード」に戻すには、同様に「MODEボタン」(矢印 A)を押しながら、「赤いツマミ」(矢印 B)を「矢印 C 方向」にひねると、「MODEランプ」が「1回点滅」して、「通常モード」の戻ります。
- 二つ目の対策は、各ゲームの「オプション設定」のある「FFBの強さ」を「100%」から「80%」くらいに下げることです。
- これよって、「FFBハンコン」のステアリングから手に加わる「強さが(トルク)」が減少し、「FFBハンコン」内部の発熱が抑えられます。
- 「FFBの強さ」を「100%」から「80%」くらいに下げたときの「ステアリングに生じる最大の反力(トルク)」の感触と、ステアリングに錘を吊るすという簡単な方法を用いて比較した感触では、「3.5Nm」ほどのトルクという感じでした。
- 「3.5Nm」のトルクはステアリング外径(28cm)に約2.6kgの錘を吊るしたときのトルクで、十分強く感じます。
- これらの対策により「強制的に動作を停止」は、ほぼ発生しなくなりました。
- また、「ファンの音」や、「FFBの強さの低下」が気になることはありませんでした。
その他の注意点
- ゲーム終了後に「FFBハンコン」の電源を切っても内部の「クーリングファン」が回り続けることがありますが、内部の温度が下がると停止します。
- しかし、「クーリングファン」が停止しても、小さな「うなり音」(ハムノイズ)が聞こえ続けます。 これは「FFBハンコン」がパソコンやゲーム機の電源が入ったことを感知するための「待機状態?」にあると思われます。
- この「待機状態?」のままにして置くことは「FFBハンコン」の寿命を短くするという情報もネット上にあるので、こまめに「FFBハンコン」の「ACプラグ」をコンセントから抜いておくのが良さそうです。
FANATEC(ファナテック)社の「FFBハンコン」
- このような「過熱防止対策」をした「ステアリングに生じる反力(重たさ、トルク)」が最大で「3.5Nm」程度では足りないという場合は「FFBハンコン」本体を強力な物にする必要があります。
- ハンドルにどのくらい強い反力(トルク)が生じれば満足できるかは人それぞれです。
- しかし「大は小を兼ねる」の言葉通り、なるべく強力な「FFBハンコン」本体を選べば、反力(トルク)を弱く調整できるので、「過熱防止」にも余裕ができます。
- また、強力な「FFBハンコン」本体は高価ですが、ステアリングに伝わってくる、ゲームからのフィードバック(FFB)の情報量が増えると共に繊細なステアリング操作ができるようです。
- 強力な「FFBハンコン」本体を手に入れやすいところは「FANATEC」です。日本語のHPから購入できます。
- 「FANATEC」にて「ホイールベース」と呼ばれる「ステアリングが付属しないFFBハンコン本体のみ」の製品について、次に説明します。
1.FANATEC CSL-DD
- 2021年9月以降に出荷予定の新型の「CSL-DD」は「5Nm」のトルクを発生となっています。
- また、オプションの高出力の電源を使用することで「8Nm」まで発生するとのことです。
- 私の使用している「TX レーシングホイール」はモーターの回転をベルトを通してステアリングホイールに伝える「ベルトドライブ方式」ですが、「CSL-DD」はモーターの回転軸に直接ステアリングホイールを取り付ける「ダイレクトドライブ(DD)方式」となり、最上級クラスと同じ方式です。
- モーターの本体がむき出しで、レースゲーム用コックピットの金属部分へ直接固定できるデザインのため、モーターの熱がコックピットへ分散し、現行品のケース入りの物より冷却性能が高そうです。
- 「ダイレクトドライブ(DD)方式」でありながら、価格は¥65,000ほどと他社が震え上がりそうな低価格ですが、他社も黙っては居ないでしょう。
2.FANATEC CSW V2.5
- 現行品の中では、「ベルトドライブ方式」ですが「Clubsport Wheel Base(CSW)V2.5」が「8Nm」のトルクを発生となっています。
- 価格は¥65,000ほどで、現時点では一番の売れ筋ですが「CSL-DD」が出荷されるまででしょう。
3.FANATEC Podium Wheel Base DD1
- 「ダイレクトドライブ(DD)方式」では「Podium Wheel Base DD1」が「18Nm」のトルクを発生となっています。
- 「18Nm」はステアリング外径(28cm)に約13kgの錘を吊るしたときのトルクなので、ずっと保持するのは難しいですね。
- 価格は¥160,000ほどと目玉が飛び出るような価格です。
- レーシングゲーマーの中には、ゲームからのフィードバック(FFB)の情報量向上を目的に「DD1」を購入し、「18Nm」のトルクは70~50%ほどの設定に下げて使用している人達もおられるようです。
「FANTEC」には「20Nm」のトルクを発せいする「DD2」という、¥200,000の機種もありますが、私は「CSL-DD」が実際にはどのような性能なのか、レビュー記事を読むのが楽しみです。